FXを始めたばかりの人やこれから始めようと考えている方に、ぜひ、知っておいてもらいたいのが、税金・確定申告に関すること。
 年末調整(※)が実施されることで基本的に確定申告を必要としない会社員を含め、FXで一定の利益が出ると、誰でも確定申告が必要です。
(※年末調整とは、給与などから源泉徴収された所得税の過不足金額を計算し、余分な徴収があった場合は、その差額分を還付し、徴収額が不足していた場合は、その差額分を徴収する制度)
 利益を申告せずに放置すると、あとでペナルティ(無申告加算税や重加算税など)を課される可能性もあります。「知らなかった…」では済まされません。
【参考記事】
●脱税総額9億円! 超ビッグFX対談!! 池辺雪子×磯貝清明
●FXで8億円稼いだ主婦…池辺雪子さんのトレード手法(1)~合計利益は4億円ではなく、8億円!!~
 また、損失が出ている場合も確定申告を行うことによって後々の節税対策ができる可能性があります。「負けているから関係ない」なんてことはないのです。
 上述のように、本記事ではFXトレーダーなら誰もが無関係ではいられない税金・確定申告に関して、「FXの税金について」「確定申告のやり方」「知っておきたい節税対策」の3項目に渡って、最低限、知っておきたい情報をわかりやすくまとめています。
 なお、本記事に掲載している情報は、FXを個人口座で取引している人を対象としており、FXを法人口座で取引している人は対象としていません。
【目次(もくじ)】
■ FXの税金について
・ FXの利益は雑所得。税率は一律20.315%
・ いくら儲かったら確定申告が必要?
・ 納税額の算出方法と必要経費
■ 確定申告のやり方
・ 確定申告で税務署への提出などが必要な書類
・ 確定申告書を作成する方法
■ 知っておきたい節税対策
・ 損益通算
・ 3年間の繰越控除
・ 年内に含み損を決済
■ FXの税金・確定申告関連記事
■FXの税金について ここでは、FXの税金に関する基本情報をまとめました。FXの利益が雑所得であることや税率が一律20.315%であることに加え、確定申告が必要となる基準や利益から差し引くことができる必要経費の例も紹介しています。
・FXの利益は雑所得。税率は一律20.315% FXでは、売買した際の為替差益や高金利通貨を買って保有することで発生するスワップポイント(スワップ金利)によって利益を得ることができますが、こうして得た利益は課税対象となります。
【FX初心者のための基礎知識入門】
●FXで利益を上げる方法。買うだけじゃない、下がると思えば売りからはじめられる!
●FXのスワップポイントとは? 毎日もらえてポジションを持ち続けると収益が増える!?
 一定以上の利益が出たら、FXトレーダー各人が、自ら確定申告を行って納税する義務があるのです。
 ただし、課税対象となるのは決済して確定した利益ですから未決済ポジションの含み益などは課税対象にはなりません(※)。
(※スワップポイントについては、FX会社によっては日々、現金化されるケースがあり、その場合はポジションが未決済であってもスワップポイントは課税対象となる。詳細は、各FX会社で確認を)
 確定申告とは、毎年1月1日~12月31日までに得た所得を計算し、申告・納税する一連の手続きのことを言います。例年、申告期間は2月中旬~3月中旬。FXで一定の利益があった場合をはじめ、確定申告の必要がある場合は、原則、この間に年間の所得を計算し、申告するのです。
 ちなみに、FXの利益に限らず、税法上すべての所得は以下の10種類に分類されます。
10種類の所得一覧※表は、国税庁タックスアンサー「No.1300 所得の区分のあらまし」を参考にザイFX!編集部が作成
 FXの利益は、この中の「雑所得」に分類されますが、ただの「雑所得」ではなく、特例によって「先物取引に係る雑所得等」というカテゴリーに分類されています。このため、一般的な「雑所得」とは異なる課税制度や税率が適用されるのです。
 一般的な「雑所得」には総合課税という課税制度(他の所得と合算して納税額を計算する制度)が適用され、税率は所得税・住民税を併せて15%~55%(※)。
(※ここでは、東日本大震災からの復興財源とすることを目的に2013年~2037年まで徴収される復興特別所得税は考慮していない)
 一方、FXの利益には、他の所得と切り離して納税額を計算する「申告分離課税」という制度が適用され、税率は一律20.315%(※所得税15%+住民税5%+復興特別所得税0.315%)と定められています。
 一律ですから、どれだけFXで利益が出ても税率は等しく20.315%です。仮に年間の利益が100万円でも1億円でも、適用される税率は同じ20.315%ということになります。
【FXの利益に対する税率】
所得税15%+住民税5%+復興特別所得税0.315%(※)
※本来は所得税15%・住民税5%で一律20%だが、2013年~2037年は、所得税に対して、さらに2.1%の復興特別所得税が課されるため、期間中の税率は所得税・住民税合計で20.315%となる
・いくら儲かったら確定申告が必要? FXで利益が出たら確定申告が必要とはいえ、年間トータルで1000円や2000円の利益…といった超微量な利益まで必ず申告しなければならない、ということではありません。
 具体例を挙げると、たとえば、会社員の場合は、FXの利益を含め、給与や退職所得以外に20万円を超えた所得がある場合、主婦(主夫)や学生の場合はFXなどで得た所得が48万円を超えた場合に確定申告が必要となります。
 48万円というのは基礎控除の金額なのですが、1995年分から昨年分(2019年分)までは38万円でした。それが25年ぶりに10万円引き上げられて、今年分(2020年分)から48万円となるのです。
 主婦(主夫)や学生で、FXなどで38万円以上稼ぐと、確定申告して税金を納めないといけないから、38万円以上の所得は得ないようにセーブしている方もいると思います。
 それが、今年(2020年)からは48万円までFXなどの所得を増やしても、確定申告をする必要がなくなったのですから、今回の基礎控除10万円引き上げはかなり大きな動きといえるでしょう。
対象者別の確定申告が必要となる条件例※「会社員」でも、給与を2カ所以上から受け取っていたり、給与収入額が2000万円を超える場合、各種所得控除の申請をする場合などは、そもそも確定申告が必要
※「年金生活者」には、「公的年金等の収入金額の合計額が400万円以下」で、かつ「公的年金等に係る雑所得以外の各種の所得金額が20万円以下」なら確定申告が不要となる確定申告不要制度が設けられている
 自営業や自由業の場合は、FXをしていようがいまいが、通常、確定申告をすると思いますが、会社員や主婦(主夫)・学生などの場合、確定申告の手続き自体に、なじみが薄いかもしれません。
 対象となる場合は、余裕をもって手続きを行うようにしましょう。
 なお、FXの年間損益は、FX会社で発行される「年間損益報告書」(※)で確認することができます。「年間損益報告書」は、例年1月頃になると、FX会社各社のマイページ上などで提供されますので、それをもとに、ご自身の年間損益を確認してください。
(※「期間損益報告書」などFX会社によって名称が異なる場合がある)
 複数のFX会社で取引している場合は、すべての会社での年間損益を合算する必要がありますのでご注意を。
 ちなみに、年間損益を確認してみたら損失が出ていた…という場合も、確定申告を行うことで翌年以降の節税対策になる可能性があります。詳細は後述しますが、たとえ負けていても確定申告と無関係ではないということは、覚えておきたいところです。
・納税額の算出方法と必要経費 一般的に、確定申告の際は、利益から必要経費を差し引いた金額を所得として算出し、その所得に対して一定の税率を乗じて最終的な納税額を算出します。
 大元の利益に対して、そのまま課税されるワケではありません。
【納税額の算出方法概要】
年間利益-必要経費=所得金額
所得金額×税率=納税額
※実際には各種控除が適用される場合もあるが、ここでは省略
 利益から差し引くことができる必要経費とは、簡単にお伝えすると、その所得を得るためにかかった費用のこと。
 では、FXにおける必要経費とは何でしょうか?
 実のところ必要経費の定義については、法令などで具体的に定められているものではありません。したがって推測の域は出ませんが、たとえばFXの場合、以下のようなものが必要経費として認められるのではないかと考えられます。
【FXの必要経費として認められそうなものの例】
・ セミナー受講料
・ 関連書籍の代金
・ 有料メルマガの購読料
・ 外枠の取引手数料
 ちなみに、有料メルマガも経費として申告できるなら、ザイFX!の有料メルマガ「ザイ投資戦略メルマガ」の購読料も必要経費に入れられるはず。
 購読している場合は、FXで得た利益から差し引くことが可能だと思われます。
【参考コンテンツ:ザイ投資戦略メルマガ】
●西原宏一氏の「FXトレード戦略指令! with 日経先物」
●バカラ村氏の「バカラ村のFXトレード日報」
●今井雅人氏の「FXプレミアム配信with今井雅人」
●志摩力男氏の「志摩力男のグローバルFXトレード!」
ザイ投資戦略メルマガ特設サイト ここで、「外枠の取引手数料」について、少し補足しておきましょう。
 現状、ほとんどのFX会社が取引手数料無料ですので、外枠の取引手数料がかかるFX会社は、最近では少数派です。しかし、もし、利用するFX会社で外枠の取引手数料がかかった場合は、必要経費として認められると考えられます。
 外枠の取引手数料が必要経費として認められるなら売値と買値の差で実質的なコストとなるスプレッドも必要経費にならないのか? と疑問に感じるかもしれませんが、スプレッドはあらかじめ売買損益に反映されていることから、確定申告の際、必要経費として算入することはできません。
【FX初心者のための基礎知識入門】
●FXのスプレッドとは? 1つの通貨ペアに2つのレート。FXの取引コストは超激安!
 お伝えしたとおり、必要経費は具体的に定義が定められているものではありませんので、判断が難しい場合は、近くの税務署で相談するか、税理士などの専門家に意見を仰ぐのが良いでしょう。
 ちなみに、以下の【参考記事】では、FXトレーダーのひろぴーさんやしーさんが確定申告の際、必要経費としてどんなものを入れたのか、根掘り葉掘り聞いたことがまとめられています。気になる方はチェックしてみてくださいね。
【参考記事】
●あの投資家たちのFX確定申告の実態(1)ひろぴーさんが必要経費に入れたものは?
●あの投資家たちのFX確定申告の実態(2)含み損なのにスワップ分を納税する悲劇!?
■確定申告のやり方 ここでは、FXで利益が出て確定申告が必要となった場合に、用意しなければならない書類(マイナンバー確認書類や年間損益報告書)や確定申告の方法などについて簡潔にお伝えします。
・確定申告で税務署への提出などが必要な書類 「FXの利益は雑所得。税率は一律20.315%」でもお伝えしましたが、確定申告とは、毎年1月1日~12月31日までに得た所得を計算し、申告・納税する一連の手続きのことです。
 例年、申告期間は2月中旬~3月中旬で、確定申告の必要がある人は、原則、この間に年間の所得を計算し、申告します。
 FXで利益が出て確定申告が必要になった場合、税務署へ提出する必要のある書類、もしくは税務署への提出は不要だけれども用意する必要のある書類は以下のとおりです。
【確定申告にあたって必要な書類と入手方法】
●税務署へ提出が必要
・確定申告書→国税庁のウェブサイトで入手
・本人確認書類→自分で用意
●税務署への提出は不要だが、用意するもの
・年間損益報告書(※)→取引しているFX会社のマイページなどから入手
・源泉徴収票(会社員などの場合)→勤務先から入手(通常12月か1月に渡される)
※FX会社によって名称が異なる場合がある
 確定申告書については、国税庁の「確定申書等作成コーナー」からウェブ上で必要事項を入力していけば、自動的に必要な書類がすべてそろいますので、あまり心配はいらないでしょう。
 むしろ注意したいのが、自分で用意する必要がある本人確認書類についてです。
 確定申告書の提出にあたっては、基本的に毎回、書類へのマイナンバーの記載と本人確認書類(マイナンバー確認書類+身元確認書類)の提示又は写しの添付が必要(※)なのですが、これに利用できる本人確認書類は、以下のとおり、マイナンバーカードを持っているかどうかで異なってきます。
(※e-Taxで送信すれば、本人確認書類の提示又は写しの添付は不要)
※表は、国税庁の公式サイトを参考にザイFX!編集部が作成
※e-Taxを利用する場合は、マイナンバーとマイナンバーの持ち主であることが確認できる本人確認書類、またはその写しの提出は不要
 マイナンバー確認書類のひとつである「通知カード」については、さらに注意すべき点があります。なぜなら、通知カードは2020年(令和2年)5月25日(月)に廃止されたからです。
 そうはいっても、通知カードに記載されている住所、氏名などが住民票と一致していれば、通知カードは引き続きマイナンバー確認書類として問題なく利用できます。
 問題となるのは、引っ越しや結婚などで住所や氏名が変わった場合です。
 通知カードの廃止によって、通知カードの記載内容を変更することは不可能となり、住所や氏名の変更を反映できなくなりました。
 したがって、このようなケースでは通知カードをマイナンバー確認書類として利用することはできず、別のマイナンバー確認書類を用意する必要が出てくるのです。具体的にはマイナンバーカード、マイナンバー記載の住民票の写し、住民票記載事項証明書のなかからひとつを用意することになります。
 そして、FX会社から取得する「年間損益報告書」(※)についても改めて確認しておきましょう。これは確定申告時に税務署へ提出する必要はありませんが、FX取引による年間損益という肝心のことを確認する書類なので必要です。
(※「期間損益報告書」などFX会社によって名称が異なる場合がある)
 「いくら儲かったら確定申告が必要?」でも触れましたが、FX会社の「年間損益報告書」は、通常、1月頃にFX会社各社のマイページなどから前年分が閲覧できるようになります。
例:GMOクリック証券「FXネオ年間損益報告書」 複数のFX会社で取引している場合は、すべてのFX会社でそれぞれ「年間損益報告書」を取得し、合算して年間損益を算出する必要がありますので忘れないようにしてください。
 そして、会社員が確定申告する際は源泉徴収票も必要な書類です。
 源泉徴収票は以前は確定申告時に税務署へ提出する必要があったのですが、2019年4月1日以降はそれが不要となりました。けれど、源泉徴収票の内容は確定申告書作成の際、記載しなくてはならず、これが必要なことには変わりがありません。源泉徴収票は会社員などの場合、通常12月か1月頃に勤務先から発行されますから、手元にご用意を。 
・確定申告書を作成する方法 確定申告書の作成は、複雑で大変そう…というイメージがあるかもしれませんが、国税庁のウェブサイトにある「確定申告書等作成コーナー」を利用すれば、パソコンからでもスマホからでもウェブ上で簡単に作成することができます。
 「確定申告書等作成コーナー」の案内にしたがって必要事項を入力していけば、納税額などの計算も行ってくれ、自動的に必要書類が揃います。手計算や手書きの必要は一切ありませんし、確定申告は初めてという方でも安心です。
国税庁 確定申告書等作成コーナー(パソコン版)(出所:国税庁)
国税庁 確定申告書等作成コーナー(スマホ版)(出所:国税庁)
 確定申告書の作成が完了したら、印刷して「確定申告で税務署への提出が必要な書類」で紹介した本人確認書類とともに管轄税務署に郵送、または管轄の税務署に持参して提出すればOKです。
 また、e-Taxを利用すれば、申告期間中は原則24時間、自宅のパソコンからいつでも確定申告書を提出することができます。この際、本人確認書類の提出は不要です。
 かなり便利に利用できそうなe-Taxですが、注意しておきたい点もあります。
 e-Taxには、「マイナンバー方式」と「ID・パスワード方式」という2つの利用方法があるのですが、いずれも事前にマイナンバーカードやICカードリーダライタを用意したり、税務署でID・パスワードを発行してもらうなどの準備が必要です。
※図は、国税庁の公式サイトを参考にザイFX!編集部が作成
 利用したいからといって何の準備もなく利用できるものではありませんので、e-Taxを利用しようと考えている方は、早めに事前準備を済ませるようにしてください。
■知っておきたい節税対策 ここでは、誰でもできるFXの節税対策についてお伝えします。FXで損失が出たら確定申告とは無縁…? そんなことはありません。損失を申告することで将来的な節税効果を得られるかもしれませんよ!?
・損益通算 損益通算とは、一定の範囲内で利益と損失を相殺することを言います。これによってトータルの所得金額が小さくなり、納税額を抑えられる可能性があるのです。
 「FXの利益は雑所得。税率は一律20.315%」でお伝えしたとおり、FXの利益は「先物取引に係る雑所得等」に分類され、他の雑所得とは区別されていますので、他の雑所得はもちろんのこと、雑所得以外の9種類の所得とも損益通算することはできません。
 しかし、FXと同じように「先物取引に係る雑所得等」に分類される一部の金融商品とならば損益通算することができます。
 FXと損益通算できるおもな金融商品は、以下のとおりです。
【FXと損益通算できる金融商品例】
・ バイナリーオプション
・ 日経225先物
・ TOPIX先物
・ 日経225オプション
・ 商品先物
・ CFD
※上記はあくまで例。このほかにもFXと損益通算可能な金融商品はある
※取引所FX・くりっく365と通常の店頭FXは損益通算可能
 繰り返しになりますが、FXと損益通算できるのは、利益が「先物取引に係る雑所得等」に分類される一部の金融商品のみです。
 FXと株式が損益通算できたらいいなと思いますが、株式は所得の種類がFXとは異なるため、損益通算することはできません。FXに加え、株式の取引なども行っている場合は、間違って損益通算しないようにしてください。
 また、ビットコインなどの仮想通貨取引にもFXと名称がつくサービスがありますが、こちらはどうでしょうか?
 FXというからには損益通算できるのか?と思いきや…残念ながら、できません。仮想通貨取引の利益は雑所得には分類されるものの、FXのように「先物取引に係る雑所得等」には分類されていないからです。
 さらに、同じFXでも海外のFX業者(※)で取引し、発生した為替差益やスワップポイントについても、国内のFX会社で発生した利益とは異なる所得に分類されます。海外のFX業者で発生した利益は、仮想通貨取引と同様、雑所得には分類されますが、「先物取引に係る雑所得等」には当てはまらないのです。
(※ザイFX!では、そもそも海外のFX業者での取引は推奨していません)
 したがって、海外のFX業者で発生した損益と国内のFX会社で発生した損益を損益通算することはできません。金融商品のジャンルとしては同じFXなのになぜ?と思われるかもしれませんが、現状は法律上そう定められていますので、悪しからず。
 ちなみに海外のFX業者での取引は一般的な雑所得であるため、先に述べたとおり、総合課税が適用され、最高税率は所得税・住民税を併せて55%(※)になります。
(※ここでは記述を略したが、ここへさらに復興特別所得税も上乗せされる)
・3年間の繰越控除 繰越控除とは、損失を翌年以降の利益と相殺し、将来の納税額を抑制することができる制度です。
 FXを含む複数の金融商品を取引している場合、他の金融商品と損益通算しても、まだ損失が残っていれば、繰越控除を利用できます。
 損失は向こう3年間に渡って繰り越すことができますが、繰越控除を利用する場合は、繰り越し期間中、取引の有無にかかわらず、毎年必ず確定申告する必要があります。
※図は、ザイFX!編集部が作成
 損失を繰り越すということは、年間のトレード成績がマイナス…要はぜんぜん儲かっていませんので、確定申告自体は義務ではありません(※)。
(※FX以外で確定申告が必要な所得がある場合は別)
 しかし、ちょっと面倒でも手間を惜しまず損失を申告しておくことで、翌年以降、利益が出た場合に節税効果が期待できます。
 誰でも使うことができる節税対策ですので、対象となる方は、ぜひ申告を検討してみてください。
・年内に含み損を決済 損益通算や3年間の繰越控除は確定申告を行う際の節税対策ですが、確定申告の対象となる年の年内にできる節税対策もあります。
それは、年末までに含み損を抱えたポジションを決済することです。
【参考記事】
●含み損を決済して年内最後の節税対策!? 2016年分の申告にはマイナンバーが必要
 「FXの利益は雑所得。税率は一律20.315%」でも触れましたが、FXで確定申告の対象となるのは年内に決済して確定した利益で、未決済ポジションの含み益や含み損は対象にはなりません。
 そのことを理解したうえで、すでにその年、FXの確定利益が十分にある一方、FX口座に含み損を抱えたポジションがある場合を考えてみましょう。
 この場合、年末までに含み損を抱えたポジションを決済すれば、確定申告で申告しなければならない利益が減ります。その結果、納税額を抑えることができるのです。
 また、FXでは確定利益が出ているけれど、CFDでは含み損を抱えたポジションがあるといった場合。こちらも、CFDの含み損を抱えたポジションを年末までに決済すれば、確定申告の際、FXの確定利益とCFDの確定損失を損益通算できるので、申告すべき利益が減り、節税できるというわけです。
■FXの税金・確定申告関連記事 税制は時代に合わせて変わっていくもの。FXの税金・確定申告に関しても、やり方やしくみが前年と同じ年もあれば、違う年もあります。
 そこで、ザイFX!では、FXの税金・確定申告を毎年特集し、公開してきました。それらを以下にまとめましたので、気になる方はチェックしてみてください。
●【2020年版】FXの税金・確定申告を解説! パソコンやスマホからさくっと申告できる
●【2019年版】FXの税金/確定申告まとめ。20万円で申告が必要って、どういうこと?
●【2018年版】FXの確定申告総まとめ。ビットコイン/仮想通貨との損益通算は?
●【2017年版】FXの確定申告総まとめ! 「マイナンバー」必須! 負けた人ほど申告を!?
●【2016年版】FXの確定申告とは? 勝ってる人はもちろん負けてる人も申告!?
●【2015年版】FXの確定申告を解説! 負けても繰越控除で将来的な節税効果!?
●【2014年版】損益通算に繰越控除。FXで負けていても確定申告はしておこう
●【2013年版】税理士・三瀬氏に聞く確定申告(1)FXで損している人も確定申告でお得に!?
●【2013年版】税理士・三瀬氏に聞く確定申告(2)海外FX口座は税率20%でなく最大50%!?
※当記事は、ザイFX!編集部が各FX会社や国税庁のウェブサイトなどを参考に、記載内容に不備がないよう注意して作成していますが、確実性や完全性を保証するものではありません。不明点がある場合は、必ず税理士などの専門家や税務署、FX会社などで確認・相談するようにしてください