(「【西原宏一が教える FXトレード戦略超入門】 トレード前夜 FXの基礎知識」から続く)
ポジションを取ったら「逆指値」
西原 吉永さんは何の通貨ペアをトレードしているんですか?
吉永 わかりやすいので、米ドル/円です。
西原 米ドル/円は日本人には馴染みがあって、情報も多いので初心者にはオススメですね。どういうトレードスタイルなんですか。
吉永 デイトレというか……空き時間にチャートを見て、いけそうだったら成行で入ります。
西原 なるほど。レートが動いた理由がわかっているのか、その先の見通しを持ってのトレードなのか、いささか不安だけど(笑)、その点はぜひ、この本を読んでもらうとして、損切りの注文である「逆指値」は入れてますか?
吉永 はい(キリッ)!
西原 為替市場では予期せぬ急変が起こります。上昇していても、突然、急落することもある。逆指値を発注しておけば、予想以上に損失が膨らむことがなくなります。逆指値(ストップロス注文)が習慣になっているのはいいですね。
吉永 先ほどお話ししたロスカットを経験したときに、その失敗から学習したんです。ポジションを持ったら放置しない! 逆指値は必ずいれる!って。
西原 最初にそこそこやられた人のほうが、リスク管理の必要性を身をもって学ぶから、“防御”への意識が高くなる。いい勉強になりましたね。
吉永 FXを始めたばかりのころは、FX自体がよくわからなかったので、「怖い」というイメージはなかったんです。でも、知っていくうちに「怖いものかもしれない」と思うようになりました。
いくら損をするのか、自分で決められる
西原 たしかにFXにはいくつかのリスクがあります。為替レートは予想外に大きく動くかもしれないし、マイナー通貨だと決済したいときにできない流動性のリスクもある。また、レバレッジは効率よく儲けられる反面、大きな損失となる可能性もある。でも、僕がFXの魅力として感じているのは、こうしたリスクも自分でコントロールできるところなんです。
吉永 高いレバレッジをかけてリスクを取るか、低めにしてコツコツやるかは、自分次第ですもんね。
西原 レートの急変に対してだって、逆指値を入れておくことで限定的にできる。しかも、「いくら損をするのか」を、事前に自分で決められるわけです。逆に言えば、逆指値を入れられるからレバレッジがかけられるということでもある。僕にとっては、ストップロスがない外貨預金や、人に任せっきりの外貨建て投資信託のほうがよほど恐ろしい(笑)。

吉永 流動性のリスクはどうすれば……、マイナー通貨はそもそも、トレードしなければいいのか!
西原 どんなトレードでもリスクはあり、それを承知したうえで、いかにコントロールするかなんです。コントロールできていれば、強制退場させられることはないし、その失敗を教訓に、やり直すことができますから。
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「終値」が教えてくれること
西原 吉永さんはどんなテクニカル分析を使っているんですか?
吉永 一目均衡表、RCIです。よく耳にしていたし、実際、見やすかったので。でも、チャートを読み解いて理解できているかと言われたらそんなに自信はないし、結局、上がるのか下がるのかチャートを見ていてもわかりません。
西原 それはもう、勉強するしかないのだけれど、ローソク足の基本的な見方は覚えておきたいところです。基礎の基礎としてひとつ伝えると、意識してほしいのが「日足の終値」。
吉永 24時間動く為替市場で終値って何時の為替レートですか?
西原 日本時間でいうと朝7時。3月第2日曜日から11月第1日曜日までのサマータイムの期間なら朝6時が1日の終わりです。
吉永 どうして、7時、または6時なんですか?
西原 24時間動いている為替相場の1日の区切りをどこでつけるかはいろいろ議論もあるだろうけれど、世界の金融の中心はニューヨークのウォール街。そのため、ニューヨーク市場を基準にして、ウォール街での取引が終わる朝7時が1日の終わりとされるんです。
吉永 でも、どうして終値が大切なんですか?
西原 経済指標が出たり、誰かが発言したり、1日、いろんなことがあったけれど、「結局、買い手と売り手のどっちが多かったか」を示すのが終値です。1日の始値は115円だったのに終値が113円だったら、その日は売りたい人が多かったということですよね。
買いか? 売りか?ローソク足に聞く
吉永 売りたい人の気分が明日も続いたら、翌日も下がるかも。終値が下がっている日が続いたら、下降トレンドになるってこと?
西原 そうです。同じことは週足にもいえます。1週間の出来事をもろもろひっくるめて結局、買いが多かったか、売りが多かったかを示すのが週足の終値。週末にはチェックしておきましょう。
吉永 週足の終値は土曜日の朝7時だから、土曜日か日曜日にチャートを見ればいいんですね。
西原 あとは少し高度な話になりますが、月曜日に出やすい「かぶせ」も覚えておくといいかも。吉永さんは「窓」はわかりますか?
吉永 前のローソク足の終値と、次のローソクの始値がジャンプして、空いていることですよね。
西原 前週の終値115円で、月曜日朝は116円だった場合、「115円から116円の間に窓が開いた」なんて言います。
吉永 窓は埋めやすい……?。
西原 月曜日朝に116円をつけたけれど、いったん115円まで下がり、さらに下がって前日のローソク足の中心値を割り込んだら要注意サイン。「かぶせ」の発生となり、それまで上昇トレンドだったのなら「売りの急所」となります。そう多く出る形ではないですが、月曜日に窓が開いていたら、かぶせの発生に注意してください。
吉永 いろいろあるんですね。
西原 これは酒田五法というローソク足のテクニカル分析のひとつ。テクニカル分析は勉強と検証しかないのですが、利益のためだと思えば、頑張れるんじゃないかな。
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にわか勉強のファンダは大きな失敗のもとになる
吉永 金利や経済指標など、ファンダメンタルズ分析はどう考えるのがいいですか?
西原 「金利上昇は通貨高要因、金利下落は通貨安要因」といった基本は知っておくべきだけれど、ファンダメンタルズ分析は「わかったつもり」がいちばん危険です。
吉永 ファンダメンタルズは意識しなくていいんですか?

西原 もちろん、大切ですよ。でも、相場はいつもファンダメンタルズ通りに動くわけではありません。「金利が下がるから通貨も急落するはず」というように、思い込みで判断するのは禁物です。
吉永 「トランプ当選なら絶対円高!」って思い込んで、ずっと米ドル/円を売っていたら大変なことになっていましたよね。
西原 例えば、そのトランプ大統領の政策にしても、彼の金融政策から考えれば、米ドルは上がるはずです。でも、彼の保護主義的な通商政策から考えれば、米ドルは安いほうがいいですよね。
吉永 矛盾しちゃってます。
西原 どの通貨にも上がる材料があれば、下がる材料もあるわけです。情報は広く集めたほうがいいけれど、いらない情報は捨てていかないと。「断捨離」が必要です。
吉永 でも、残す情報と捨てる情報はどう判断するんですか?
西原 市場が今、何をテーマとしているかに注目していくといいんじゃないかな。トランプの政策が関心事となっているときに、欧州の金融政策を一生懸命調べてもトレードの役には立ちません。市場が注目するメインテーマ以外は捨ててしまっていいでしょう。
吉永 どのテーマがメインなのかは、どう判断するんですか?
西原 例えば、『ザイFX!』の連載で複数の人が書いているテーマはメインテーマといえますよね
吉永 大切なものだけ残してあとは手放す。私は人間関係の断捨離が必要かなぁ……。
西原 断捨離すれば、人生もFXもうまくいく、はずです(笑)。
初心者はやはりチャートから
西原 情報をトレードに活かすときに注意してほしいのが、「織り込み済み」ということ。ファンダメンタルズ分析の結果、「次の会合では政策金利が上がり、米ドルが買われるだろう」と予想したとします。でも、同じように予想する人がたくさんいて、会合前にすでに買っていて上がっていることも多い。それが織り込み済みです。
吉永 ファンダメンタルズ分析って難しいんですね……。
西原 織り込みが進んでいると、実際に政策金利が上がった途端に下がってしまうことがあります。「金利が上がるだろう」といううわさ段階で買われてしまうため、金利引き上げという事実が出ると売られるような動きです。
吉永 織り込み済みかどうかは、チャートを見ないとわからないですよね。
西原 ですから、初心者はチャートを最初に見る。トレンドが出ていたら、「なぜトレンドが生まれたのか?」と情報を見ていく。チャートありきでファンダメンタルズを考えるようにしましょう。
(ザイ投資戦略メルマガ事業部)
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